HDDの基盤交換について

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HDDの基盤交換について

前回の記事でHDDの基盤交換について軽く触れましたが、今回はそれについてさらに詳しく紹介していこうと思います。まず基盤の交換そのものについてですが、作業としてはそれほど難しくはありません。

HDDの基盤

上の画像のように固定してあるネジを外せば簡単に外すことができます。この時に使うドライバーはトルクスドライバーという特殊なドライバーでして、通常の+-ではなく星型の形をした先端のドライバーが必要になります。ホームセンターなどで普通に売ってますし、楽天などのネットショップなどでも入手可能です。

ドライバーのサイズについてですが、「自分でHDDの基盤を交換してみた」という趣旨のブログやHPを何件か見て回った結果、皆、T8というサイズのドライバーを使用していたので、おそらくどのHDDもT8で合うと思います。(保障はしませんが)

交換自体は簡単ですが、問題はファームウェアと呼ばれる初期動作を制御するデータが一致するかどうかです。

通常ファームウェアは基板上のフラッシュメモリに記録されていますが、コスト削減のためフラッシュメモリは最低限の容量しかないため、最近の肥大化したファームウェアは入り切りません。ですので一般的にファームウェアは基板上のフラッシュメモリと、ディスク上のトラック0エリア内の両方に書き込まれております。
つまり、HDD自身の起動の初期段階に必要な最低限の部分だけがフラッシュメモリーに書き込まれており、残りのデータは0エリアに書き込まれているわけです。

フラッシュメモリーに書き込まれている最低限のデータとは

1.スピンドルモータの回転開始及び規定の回転数にあげるまでの制御情報
2.VCM(ボイスコイルモータ)に電流を流し、ヘッド(アーム)を動かし、サーボ情報から位置情報を検出、規定の場所まで移動する
3.PC側のIDEコントローラとの通信を開始する
4.その他 そのロットのヘッド固有のパラメータ等

などです。

HDDに電源が投入されると、これらの情報に基づきヘッドがトラック0位置まで移動し、ファームウェアの残りの部分を読み込みます。全ての情報を読み終わるとHDDとして起動、PC側からのアクセス待ちの状態となります。これが正常な状態ですが、基盤が交換されファームウェアの内容が異なっていると誤った情報を元に起動を開始様してしまいます。開始位置などの位置情報、ヘッド固有の情報等が異なるため当然残りのファームウェアが読み出せません。

この状態の場合は通常は起動しないだけで済むとされていますが、本来メーカーでも想定されていない事態ですので組み合わせによっては何が起きるか分かりません。

 

以上のことから基盤の交換の際には同じメーカー、同じ型番であることは当然として、このファームウェアも一致していなければHDDは起動しないということが分かると思います。

型番や生産ロットなどはHDDに記載されていますが、ファームウェアの情報については記載されていないため分かりようがなく、この問題が基盤交換の際、もっとも厄介な問題となります。

ただ、数は少ないですが基盤交換してHDDの修復に成功したという事例もいくつか上がっています。それらの情報から成功する確率を上げるための情報をまとめてみると、2つのことが分かりました。

まず1つはメーカーによって基盤交換の成功率に違いがあるということ。
Maxtorとか、日立などのHDDはこのファームウェアの相性の関係が複雑で基盤を交換しても修復しにくいという情報がでています。逆にSeagate製のものは成功率は高いという報告が上がっています。

もう1つは同じ型番・同じジャンパ配列である基板を移植するとかなりの確立で起動するという情報。
この際、生産時期は合ってなくてもよいそうです。例え1年でも2年でも生産時期が違っていても型番とジャンパ配列があっていれば起動したという実績が多数あるそうなのです。

 

2つ目の情報は基盤交換する時のかなり明るい情報となりそうですが、ジャンパ配列は表面にプリント済のジャンパ設定表で確認することができますが、これを確認するには実際に手にとって見る必要があり、近くにジャンク屋などがない人では探すのは難しいかもしれません。


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